ふとさびしさを感じる夜、
傍らに、ほっとするような絵本があると、うれしいよね。


絵本じゃないけど、この漫画。
微笑ましく、かわいいおとぎ話です。
さびしい夜に、ぴったりな気がします。

小倉マユリは、お菓子作りが大好きな女子高生。
でも、ただの女の子ではありません。
悪魔を召還して使役する、見習い魔女なのです……!!

マユリが召還してしまったのは、偶然にも「地獄の大公 上級悪魔のベルゼビュート」!
召還したがゆえに命を奪われそうになったのもつかの間、マユリの作る甘いお菓子にビュートは夢中になってしまう。
そして、不思議なふたりの甘い関係は始まった…。

マユリは、とても内気なうえに、母親が魔女という家系に生まれた、ちょっと珍しい女の子。
同級生と話題もあわず、学園生活も家庭でもいつもひとりぼっち(両親は海外赴任)。
そんなマユリは、お菓子につられてやってくるビュートに恋をするのです。

絵柄が、なんとも可愛く、シンプルで無駄がない。
地獄の風景や悪魔の暮らしなども、時折登場するのですが、いわゆる「地獄」って感じではないですね。煩雑ではなく、暗さもない。

なんというか、淡々と描かれているのがおもしろいのです。
悪魔も、性格悪いわけじゃないし。「俺様」キャラだけど。
いや、ヒロインに陰湿なことやらかす同級生より、よっぽど性格が良い。

そのためなのか、設定や物語につっこみどころが満載のはずなのに、するっと読めてしまう。
海外には、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のような、ナンセンスな暗黒世界モノってジャンルとしてありますよね。
魔女やドラキュラや悪魔たちが可愛らしく活躍する、コワオモシロイお話。子どもむけの絵本に多いのですが、そんな楽しさに満ちているのです。
いや~、センスいいなぁ…と感心してしまいます。

大体、なんでベルゼビュートの家臣がサメなんだろう…。 いや、可愛いからいいんだけれど。

一話完結形式で、短編が4話入ってて、読みやすい。
マユリもビュートも、孤独な魂の持ち主。
惹かれあって距離が縮まっていくけれど、住んでる環境もちがうし(そりゃあ、人間界と地獄だし!)、孤独であったもの同志なので、コミュニケーションがヘタ過ぎる。
ひと筋縄ではいきません。
おたがいにお子チャマのような我儘を爆発させたり、泣いたり、いじめたり。
でも、じょじょに不器用ながらも、おたがいを理解して受け入れていく。
悪魔でも、人間でも、同じなんだなぁ…と思いますね。いや、本当にそうなのか? まぁいいや。

くりかえし、何度読んでも飽きない漫画です。
さびしい夜には、ぴったりだし。
恋ってどんなものだったかしら…? と思い出すのにもぴったり。

既刊2巻まで。
つづきも、はやく読みたいな…。