リストランテ・パラディーゾ
イタリア、ローマ。
街角に建つ「リストランテ・カゼッタ・デッロルソ」は、ちいさな、でも至福のリストランテ。
料理も、そしておもてなしをする紳士たちも、幸せを運んでくる…。
主人公のニコレッタは、もうすぐ21歳。
田舎からローマに出てきた。
ニコレッタの母親は、彼女が5歳のときに父親と離婚。ニコレッタを祖父母に預け、家を出てしまっていた。
理由は……再婚相手がバツイチ女は嫌い、だから!
成人したっていうのに、それまで会いにきたのは数えるほど。
いい加減に腹が立ったニコレッタは、すべてをばらして母親の生活をぶち壊すために、彼女の再婚相手の経営しているリストランテに意気揚々と乗りこんだ。
しかし、そのリストランテの魅力に惹かれてしまうニコレッタ。
料理もさることながら、従業員たち(みんな老眼鏡をかけたオジサマたち!)の魅力的なこと!
とても繁盛しているそのお店は、従業員目当ての女たちでいっぱい。
なかでも、カメリエーレのクラウディオの優しい笑顔と綺麗な物腰にまいってしまった彼女は、母親にすべてをばらすことをしない代わりにリストランテで働かせるよう要求する…。
オノナツメさんの、スタイリッシュな絵柄。
好き嫌いがはっきりするかも。
わたしも、少しこわごわと手にとったのです。
だけど、読みすすめるうちに、夢中になってしまいました。
ちいさなリストランテを舞台に、ずっと離れていた母と娘が顔を会わせる。
恋と仕事に生きる母と、人生を謳歌している母がうらやましいのにそうなれない娘。
そんな彼女を温かく見守るクラウディオ。
オーナー、従業員たち…。
日々の暮らしがあり、恋があり、かなわぬ恋もある。
大きな事件は、まったく起きないけれど、胸がいっぱいになるような温かみにあふれた幸せを、その日常のなかから感じられるのです。
従業員のオジサマたちの笑顔の背景には、それぞれの人生がある。
ニコレッタはまだ少女のような若さだけれど、彼女を取り巻く人々はみな、酸いも甘いも知りつくした大人なのです。
で。
とにかくまぁ、そのオジサマたちの色っぽいこと…!
やさしく、物腰やわらかく、経験豊富だからかゆいところに手が届く。
いや、やさしいばかりでなく、ぶっきらぼうで無口なオジサマもいたり、ガミガミいうオジサマもいるのですが、イザとなるとこれまたやさしい。
いやぁ、こんなオジサマたちに囲まれちゃ、若い男なんざ、屁だね、屁!
と思ってしまうほど、魅力的。
あ~ん、行きたいよー! このリストランテに!!
とまぁ、思わず地団駄ふんでしまいましたが。
良質のイタリア映画を観たような、そんな満足感にひたれる作品です。
週末に、日ごろの疲れを癒しに小粋なリストランテに行くつもりで、読んでみてはいかがでしょう。
あ。
4月から、フジテレビでアニメ放映するそうですよ。
楽しみ♪








