まあ、なんてもう!
カワイイのかひら~!!!

とヨダレがついつい出てしまうので、注意が必要だわよ。

男ばかり、三人家族の山際家。
4歳の春生は甘えん坊でおとなしい子だけれど、父と兄に溺愛されて、すくすくと育つ。
家族の日常を描いた、スイートなおとぎ話のような物語。

小沢真理さんの、繊細な絵柄にうっとり。
いつもながら、絵本のような綺麗な絵なのよね。
そして、登場人物がみなカワイイ!
とくに、春生クン! 
んもう、食べちゃいたい!!

病弱な母は、春生を産み落とし、一月も経たないうちに逝ってしまった。
春生は母を知らないけれど、母にそっくりな顔立ち。
とても繊細で愛らしい。
だからこそ、高校生の遊びたいさかりの兄ちゃん(イケメン)も、宝石ディーラーで忙しい父ちゃん(こちらもイケメン)も、愛して愛してやまないのだ。
まぁ、いまどき、いくら事情があっても、男家族でこんなに仲良く見目麗しいことなんかありえねーのでは? と思ったりもしちゃうんだけれど、そこは、ほれ、おとぎ話なのよ。
ありえないけれども、あってほしい…と願いたくなる。
そうゆうもんよね。でしょ? でしょ?  

死んでしまったお母さん。
過去はすぐに思い出となり、記憶のなかに沈んでいく。
けれど、ときおり心のなかに、フワリとよみがえるのよ。
姿はあやふやだけれど、宝石のようにキラキラと輝きながら…そう、さながら「たんぽぽの綿毛」のよう。
親子の間を、キラキラと浮遊するんだわ…。

あたくしもね、あたくしもね、思い出すことがあるわ。
とっておいた大好きなエクレアを、いつのまにか母に食べられて。
一日中、泣いて過ごしたこと…とか。
とっておいた大好きなショートケーキを、食べようとした瞬間に猫にさらわれて。
泣きながら、追いかけまわしたこと…とか。
とっておいた大好きなモンブランを、彼氏に目の前で床に落っことされて。
泣きながら、すさまじい勢いで罵倒したこと…とか。
まぁ、思い出すのは、食べ物の恨みばかり。
まだまだ思い出を作る年齢じゃない、ってことかしらね…。

表紙も激カワの本書。
寒い夜に、ココアなどたしなみながら、読んだらよろしいんじゃなくて?