そりゃ、うわさにもなるわよ。
なにしろ天狗よ、天狗!!

あたくしもよく、「天狗になってんじゃねーよ!」といわれたこと、あったわ。
もちろん返事は、「あんたが相手じゃ、天狗にだってならーな!」よ。
天狗といわれたくらいで、ひるんじゃダメ。
ガツンと言い返さなくちゃ。
人生、ガンガン押してナンボなのよ!というわけで、あたくしもシンパシーを感じる、天狗
でも、このマンガの天狗は、そーいった鼻が高いだけの天狗じゃないの。
徳のある神様で、町のみんなから愛されているのよ。

その天狗と人間の間に生まれた少女、秋姫
天狗の住むお山ではなく、下界で母親と暮らしている。
秋姫が人とちがうのは、力が強いってことくらい。
同級生のタケルくんに恋する、ごくフツーの女の子。
でも、幼馴染の瞬ちゃんは、天狗になる修行をしていて、秋姫にも「天狗になれ!」っていうし、クラスメイトには「神の子」なんてちゃかされちゃうし。
なかなか、フツーには過ごせない…。

いや、もう、ホントにカワイイ話なのよ、これが。
そんで、秋姫がピュア。
お友達もタケルくんもイイ子たちだし、幼馴染もぶっきらぼうだけどイイやつなのよ!
中学生から高校生になって、天狗が見下ろすお山から少々離れた高校に通う秋姫を、
幼馴染がサポートしつつ、物語は進んでいくの。
そして、初めての恋がなんとなく成就しそうな予感…。

あたくしは、幼馴染(瞬ちゃん)の方が好みなんだけど、
この男、なかなか本音をいわないので、秋姫をどう見ているのかわからないのよっ。
でも、こういうツンデレ系男子(と勝手に判断)は、きっと主人公のこと想ってるのよっ。
きっと、そーよ! そーであってくれ~……。

ウサギやキツネやタヌキなど、天狗に仕えるけものがたくさん出てきたり、もののけが出てきたり。
騒々しくなりそうだけれど、これがまた、のんびりほんわかムード。
すぐご近所に、神様がいて。
生き物や自然が、とり巻いていて。
時間や季節が、ゆっくりと過ぎていく。
そんな、やさしい暮らし。
じつは、ごくごく最近まであった暮らしなのよね?
でも、もう、あたくしたちの生活には、その名残すらない…。
そんな事実がとても寂しいいんだけれど、この本を読んでいる間は、秋姫たちの世界で暮らしている気分になれて。やさしい気持ちになれたわ。

ぬくいこたつで暖まりながら、おしることか食べながら、
または熱燗でも飲みながら、
ほんわかと読むといいんじゃないかしらね。
個人的には、天狗の父ちゃんと人間の母ちゃんのラブストーリーを読みたいわ。
どーやったら恋に落ちるんだろーか、450歳年上の天狗と…。