ピカソが描く、悩める若者たちの心象風景
鉛筆デッサンで描かれるの心の世界が、美しく怖い…!!

葉村ヒカリ(通称ピカソ)は、高校2年生。
爪をかむクセがあり、ちょっと偏屈。
人づき合いも苦手で、絵を描いていれば幸せ…という一風変わった男の子。
そんなピカソを唯一認めているのは、同級生の山本千晶。

ピカソは、河原でスケッチの帰りに、ヘリコプターの事故に巻き込まれ、千晶とともに死亡してしまう。
しかし、千晶の祈りで奇跡的に助かり、この世に蘇る。
だが、ピカソの体は腐敗を始めていた…!

腐敗を止める方法は、ただひとつ。
人助けをすること。
人助けをすれば、腐敗から逃れられる…と、妖精のように小さくなってピカソの前に現れた千晶が告げる。
もともと人付き合いが苦手なピカソは、どうやって人に手を差し伸べるべきかわからない。
そんなとき、もうひとつの特殊能力に目覚める。
相手の心象風景を、描くことができるようになったのだ。
ピカソは、心に闇を抱えているクラスメイトたちに向き合い、絵の中にダイブして、彼らの心に沈みこむ。
彼らの心の闇をときはなつために…!

古屋兎丸さんの作品は初めて読むので、どういう作風か知らなかったのですが、
うーん、これは好き嫌いが別れるかもしれません。
わたしは……好きだ!!
デッサンではなくふだんの絵柄は、どちらかというとレトロちっく。 どことなく、丸尾末広の絵柄に似ているような気がする…(丸尾末広大好きなので、わたし)。
主人公のピカソは、背の小さな男の子なんだけど、睫の長い美少年。
とても愛らしいのです。
そんなピカソが、偏屈だったり、ギクシャクしながらもクラスメイトに話しかけている様子が、カワイイです!
また、妖精のような千晶ちゃん(故人)との絡みも、楽しい。

そして、なんといってもその精神世界の絵。
鉛筆のデッサンなのですが、とにかく圧倒的です。
禍々しく不可思議で、とってもエロチック。
思わず、ドキッとしてしまうものばかりです。
ひとことで説明できない魅力さに満ちています。
これは、必見。オススメです。
さまざまなことを示唆しているような、不思議かつ怖い絵なのですが、 解明する心の闇は、意外に単純…。
あっけなく解決します。
ちょっと拍子抜けしますが、まぁ、少年誌だし、このくらいでいいのかな?

ストーリーについては、食い足りなさを感じるのですが、なんといっても絵が魅力。
今後、どう進展していくのかなぁ。
ピカソの活躍も祈りたいけれど、ピカソを思って死んだ千晶ちゃんも、幸せにしてあげてほしい…と思いつつ、2巻を楽しみにしまーす。